h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

浸潤性甲状腺腺癌に対するDeltopectoral Flapの応用

甲状腺腺癌が,徐々に増大し,しかも長期生存している場合,遂に前頸部皮膚に浸潤自潰し,通常の処置では止血が困難なことが起こり得る.この様な症例に対し,保存的ではあるが積極的に手術を施行し,止血を行ない,社会復帰を計ることは有意義であると考え,我々の経験した症例を報告する.症例は, 85歳,女性で, 6年前より前頸部腫瘤を認め,徐々に増大した.生検の結果,甲状腺乳頭腺癌と診断されたが,根治手術は不可能なので甲状腺ホルモンを投与しながら外来で経過観察とした.昭和54年,前頸部皮膚に浸潤自潰し,持続的出血が始まり通常の処置では止血困難なのでBakamjianのmedially based deltopectoral flap (D-P flap)を応用し保存的手術を施行した.術後経過は良好で,現在も頸部運動制限も認めず,日常生活に支障なくすごしている.
著者名
高橋 達雄, 他
6
1.2
21-24
DOI
10.11482/KMJ-J6(1.2)21

b_download