h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

口蓋扁桃炎の細菌学的検索

昭和50年12月より51年8月までに当科外来を訪れた扁桃炎患者のうち90人の扁桃細菌叢を検索して, Staphylococcus aureus を22%,A群β-Streptococcusを8%検出した.これらのうち60人に扁桃摘出術を行ない,摘出直後に扁桃切断面の擦過培養を行なって, Staphylococcus aureus を33%,A群β-Streptococcusを12%検出した.以上のごとく,扁桃における病原性菌としてはStaphylococcus aureus,次いでA群β-Streptococcusが多いことが指摘できた.また両菌種の検出率がいずれも外来患者の検査で低かったことから,外来患者での検査では材料を上扁桃窩から注意深く採取することが重要と考えられた.抗生剤感受性検査を行なった結果,これら両菌種に共通して感受性のある薬剤はテトラサイクリン系,セファロスポリン系であることがわかった.そのほか,外来患者での「急性期」と「非急性期」における菌検出率,ASL0,CRP,尿所見の違いなどについて若干の考察を加えた.
著者名
小西 静雄, 他
3
1
15-22
DOI
10.11482/KMJ-J3(1)15

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