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Online edition:ISSN 2758-089X

宮崎肺吸虫の実験動物における異所寄生例

宮崎肺吸虫の終宿主動物に対する感受性および虫体の発育・寄生の状況等を調べる目的で各種動物への感染実験中に,ラット2匹とイヌ1頭において,成虫の異所寄生を観察した.ラット(1)では肝臓と胆嚢,ラット(2)では肝臓,イヌでは脾臓にそれぞれ各1個の,いずれも成熟成虫を2個体宛蔵する典型的な虫嚢腫の形成を認めた.殊に,宮崎肺吸虫のイヌ脾臓異所寄生例は,これが初めての記録である.異所寄生の虫体8個体は,いずれも生きた状態で見出され,その発育程度は肺臓の虫嚢腫内に寄生の虫体よりも良好であった.また,宮崎肺吸虫の成虫が,ラットの肝臓内で488日間生存できることを確認した.
著者名
初鹿 了, 他
3
3.4
137-142
DOI
10.11482/KMJ-J3(3.4)137

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