h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

マウス嗅粘膜の計量組織学的観察 ― 特に嗅粘膜子郵送の逐齢変化

 嗅粘膜は感覚細胞である嗅細胞を含む嗅上皮と,嗅腺分泌部および嗅神経線維束や毛細血管を含む粘膜固有層で構成される.嗅粘膜の逐齢変化を検討するため,出生直後から1年齢のマウスの鼻中隔の嗅粘膜を計量組織学的に観察した.鼻中隔の嗅粘膜は生後0日から急速にその厚さを増し,生後10日から1年齢で約170μm の厚さを保つ.出生直後,嗅粘膜固有層は嗅上皮にくらべて薄いが,固有層厚は生後0日と60日で出生直後の約2.5倍に増加する.特に,嗅粘膜固有層の中隔側に分布する嗅神経線維束の生後変化が著しい.すなわち,粘膜固有層に占める嗅神経線維束断面積比が生後早期に増加し,かつ個々の嗅神経線維束の径が著しく変化する.嗅神経線維束を構成する嗅神経被覆膠細胞(olfactory ensheathing glia: OEG)およびOEG に含まれる嗅細胞軸索が鼻中隔嗅粘膜固有層の逐齢変化に関連する可能性が示唆された.(平成21年9月3日受理)
著者名
西田 尚樹,他
35
4
285-293
DOI
10.11482/2009/35.285.2009_Igakukaishi_Nishida_etal.pdf

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