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ICG排泄遅延例の一家系

BSPが正常でICGの高度停滞を示す24歳の男子の症例を呈示する.検査成績ではBSP試験が正常(R45BSP=3.5%)に比べてICGの排泄遅延(KICG=0. 033)がみられる他には肝機能の異常を認めなかった.同じタイプのICGの異常が兄および妹にもみられKlCGは各々0.028と0.027であった.これに対し母親のそれは0.173であった.これらの家族性にみられたICGとBSPの解離の原因は不明であるが,遺伝形式は優性遺伝と考えられる.血清とICGの混和物をセファデックスG-200カラムクロマトグラフィーで分画すると血清はI (19 S), 11(7 S)およびIII(4S)の3峯にわかれる. ICGは主としてI,II峯に結合していた. Ill峯(アルブミン)にはわずかに結合しているにすぎなかった.この患者血清の流出パターンは正常対照者に比較して顕著な変化を認めなかった.この患者の染色体分析も特に異常を認めなかった.本症例のごとく一家族の同胞全員が同じICGの異常を示した例は未だ報告がなく,この異常が遺伝的性格のつよいものであることを示唆している.
著者名
山本 晋一郎, 他
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143-148

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