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Myxedematous Polyneuropathyの2例-電気生理学的ならびに組織学的研究-

Myxedematous polyneuropathy の2症例を報告した.第1例は67歳の女性,第2例は48歳の男性であった.体重増加と四肢の筋力低下およびしびれ感は第1例では入院前1ヵ月間,第2例では5年間続いていた.入院時理学的検査では2例ともに乾燥した皮膚,捏粉状浮腫,貧血および巨舌がみられた.神経学的には精神的不活発性,視神経萎縮,神経性難聴,握力低下,myoedema, Romberg徴候陽性,手袋靴下様分布の触覚,痛覚,温度覚および振動覚障害を示した.検査所見ではこの2例が原発性甲状腺機能低下症であり,血清CPK, LDHの増加および髄液蛋白の増加が明らかにされた.この2例の運動神経伝導速度および筋電図学的検査は正常であった.感覚神経伝導速度は中等度から高度に障害されていた.第1例において治療前に行なわれた腓腹神経の生検では光学顕微鏡的には節性脱髄,大径有髄神経線維の減少およびmucin沈着が乏しい事が示された.電子顕微鏡的にはnaked axon とonion bulb 形成がみられた.乾燥甲状腺末での8ヵ月間の治療後生検された第2例の腓腹神経では軽度の脱髄があったがmucin沈着や炎症細胞浸潤はなかった.大径有髄神経線維数はわずかに減少していた.われわれの2例の腓腹神経の変性の原因は, mucin物質によるのみでなく, Schwann細胞の代謝障害に基づいていることが考えられた.このpolyneuropathyは乾燥甲状腺末による治療によく反応した.
著者名
俵 哲, 他
1
3.4
174-182

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