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Online edition:ISSN 2758-089X

川崎病院における難聴児訓練と就学後の経過について

川崎病院耳鼻科幼児難聴外来は昭和45年4月に発足し,満4年が経過した.その間の当外来の総受診者246人の実態をまとめるとともに,一年以上訓練を受けて就学した難聴児56人を対象としてアンケート調査を行ない,そのうち22人より回答を得たのでこれをまとめ,就学前の早期訓練のありかたを検討した.その結果,(1)訓練開始年齢は早いほどよく,訓練期間も長いほど効果が大きい.(2)早期より補聴器を装用させ,普通児の言語発達にそくした系統的訓練を行なうことが望まれる.(3)60dBまでの難聴児は就学前および就学後も訓練を継続すれば普通学級での指導が可能である. (4)61~90 dB までの難聴児は普通学級での指導が可能なものと固定制難聴学級での指導が望ましいものがある.(5) 91 dB以上のものでも難聴学級へ適応できた例があった.
著者名
森 寿子, 他
1
3.4
191-199
DOI
10.11482/KMJ-J1(3.4)191

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