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漢方薬と利尿薬による低カリウム血症によって横紋筋融解症が誘発された1例

症例は92歳,女性.近医で高血圧や認知症で通院加療中であった.下肢の疼痛に対し,芍薬甘草湯が処方されていた.入院4か月前から下肢の浮腫が出現したためにループ利尿薬の内服が開始された.入院10日前の血液検査で血清カリウム値2.1 mmol/L と低カリウム血症であったために芍薬甘草湯とループ利尿薬の休薬を指示し,カリウム製剤の内服が開始となっていた.入院当日の朝、自宅内を歩行中に転倒し動けなくなったところを近隣の人に発見され当院へ救急搬送となった.受診時,著明な低カリウム血症(1.8 mmol/L),CK 3.612 U/L から低カリウム血症による横紋筋融解症と診断し,補液とカリウム補正を開始した.入院時の検査で低レニン・低アルドステロン血症,尿中カリウム排泄亢進を認めた.甘草を含有する芍薬甘草湯による偽性アルドステロン症と診断し,同剤の中止とカリウム補正によって入院10日目にほぼ正常化した.高齢者において,漢方薬は比較的副作用が少ないことから処方される機会が多い.しかし,高齢者では多数の内服薬が処方されることが多く,各薬剤の服用状況や副作用,それらの相互作用について注意する必要があると考えられる. doi:10.11482/KMJ-J44(1)65 (平成30年3月8日受理)
著者名
依光 大祐, 他
44
1
65-69
掲載日
2018.5.10

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