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心臓カテーテル検査後に腹腔内臓器のコレステロール結晶塞栓症を発症した1例

 心臓カテーテル検査後に全身性のコレステロール結晶塞栓症を発症した1例を経験した.症例は69歳の男性で,不安定狭心症で緊急心臓カテーテル検査を受けた.冠動脈の#2,#9,#12に狭窄を認め,PCI(percutaneous coronary intervention)ステントを挿入された.その直後から腹痛が出現し,徐々に増強したため外科紹介となった.上腸間膜動脈塞栓症を疑い血管造影検査を施行したが,明らかな異常を認めなかった.汎発性腹膜炎との診断で緊急開腹術を施行したところ広範囲の消化管が斑状に壊死に陥っており,消化管の切除再建は不可能と判断し閉腹した.術後2日目に患者は死亡した.死後の病理解剖にて消化管を含む腹腔内多臓器のコレステロール結晶塞栓症と診断された.コレステロール結晶塞栓症はまれな疾患であり,血管造影,大血管手術,抗凝固療法を契機に発症することが多い.発症後の予後は極めて不良であるため、ハイリスク症例はこの疾患の存在を念頭に置く必要があると思われた.(平成20年10月21日受理)
著者名
奥村 英雄,他
34
4
297-303

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