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再生不良性貧血治療中にカルシニューリン阻害薬誘発性疼痛症候群を発症した2例

CIPS(Calcineurin-inhibitor Induced Pain Syndrome)とはカルシニューリン阻害薬を使用中に下肢を中心とした部位に疼痛または掻痒感が生じる症候群である.今回,我々は再生不良性貧血の免疫抑制療法中に生じたCIPS の2例を経験したので報告する.1症例目は,60歳代の女性.近医にて汎血球減少を認め,当院紹介.再生不良性貧血(Stage4)と診断し,ATG(antithymocyte globulin)/CyA(Cyclosporin A)併用療法を開始した.CyA 投与後,両側下肢の違和感・耐え難い疼痛を発症した.CIPS と診断し,CyA 中止にて症状改善した.その後,再生不良性貧血の増悪に対し低用量でCyA を再開.これによりCIPS が再発し,うつ症状の増強により治療継続が困難となり,原疾患悪化のため死亡した.2症例目は,60歳代の女性.貧血および血小板減少を認めたため,当院紹介.再生不良性貧血(Stage2)と診断し,CyA 療法を開始した.CyA 投与後,両側下肢の違和感・耐え難い疼痛を発症した.CIPS と診断し,CyA 中止にて症状改善した.CIPS は診断が遅れた場合,疼痛に伴うADL(activities of daily living)の低下や精神的苦痛によるうつ症状をきたすことがある.現在CIPS の報告は,臓器移植後にCyA を使用したものがほとんどであるが,それ以外でも発症する可能性があることを知っておくべきと考えられた.
著者名
内田 圭一, 他
45
89-94
掲載日
2019.10.15

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