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健康な若年男性にみられた結節・気管支拡張型肺M.kansasii 症の1例

症例は32歳,男性.既往歴は特になく,喫煙歴もなかった.自覚症状はなかったが,定期的にとられた胸部X線写真で異常影を指摘され,当科受診となった.検査所見では,クオンティフェロン®(QFT®)が判定保留であった.CT 上,左下葉に気管支拡張を伴った小葉中心性粒状影を認めた.確定診断を得るため,気管支鏡検査を実施したところ,生検組織で多核巨細胞を含む類上皮細胞性肉芽腫がえられ,気管支肺胞洗浄液(Bronchial Alveolar Lavage fluid; BALF)から抗酸菌塗抹陽性,培養陽性,DNA–DNA hybridization(DDH)法にてMycobacterium kansasii(M.kansasii )が同定された.肺M.kansasii 症と診断後,イソニアジド(Isoniazid:INH),リファンピシン(Rifampicin:RFP),エタンブトール(Ethambutol:EB)による治療を開始し,1年間継続したところ,陰影の改善が得られた.従来,肺M.kansasii 症は喫煙男性において上葉に薄壁空洞を呈しやすいといわれてきたが,今回私共は健常な若年男性の左下葉に結節・気管支拡張型の肺Mycobacterium avium complex(MAC)症に類似した画像所見を呈した症例を経験した.非結核性抗酸菌症の治療は,菌種により治療法は異なるため,気管支鏡検査を含めた積極的な診断法を行うことにより,原因菌を同定することが重要と考えられた.
著者名
田中 仁美, 他
45
63-68
掲載日
2019.10.4

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