h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

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超選択的動注化学療法および化学塞栓療法の基礎的研究(1) ―動物実験モデルと微小塞栓物質の製作―

 目的:超選択的動注化学療法(super-selective transcatheter arterial chemotherapy :STAC)と超選択的化学微小塞栓療法(super-selective transcatheter arterial chemomicroembolization : STACME)による抗腫瘍効果の基礎的検討を行うために,動物実験モデルの確立と微小塞栓物質の調製を行った. 材料と方法:体重4kgの雄性日本白色家兎12羽をもちい, VX 2腫瘍細胞浮遊液の移植数により,以下の4群すなわち3×10^4個/0.03 ml, 5×10^4個/0.05 ml, 1×10^5個/0.1 ml,1×10^11個/ 0.1 mlに分け耳介2/3先端部にそれぞれ移植し14日後の腫瘍成長を比較した. 微小塞栓物質として,イミペネム・シラスタチン(imipenem-cilasta tin sodium : IPM/CS)懸濁液を採用した. IPM/CS 0.5gにイオギザグレード10 ml および20 ml を加えて懸濁液を作製し,顕鏡により微小塞栓物質の粒子径と粒子数を比較検討した.この懸濁液を移植腫瘍の耳介動脈に投与し,投与直後,腫瘍を摘出しH-E染色切片を組織学的に検討した. 結果:移植腫瘍は,5×10^4個/0.05 ml 細胞浮遊液を移植した場合に最も安定した腫瘍成長を認めた. 微小塞栓物質は, IPM/CS 0.5gをイオギザグレード10 ml にて懸濁したものが粒子数,粒子径ともに塞栓物質としての性状に優れていた.また同懸濁液投与による組織所見では,60μm以下の血管に塞栓が確認された・ 結論:本実験で作製された動物実験モデルは, STACの基礎実験に有用であり,本実験結果から得られたIPM/CS懸濁液は, STACMEの基礎的検討を行う際に適切な微小血管塞栓効果が得られることが確認された.             (平成11年5月13日受理)
著者名
粟飯原 輝人
25
1
47-54
DOI
10.11482/KMJ-J25(1)047-054.1999.pdf

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