Online edition:ISSN 2758-089X
病理材料におけるEpstein-Barr virus-encoded RNA insitu hybridization (EBER-ISH)法を用いたEBウイルスの検出とその病理学的意義
Epstein-Barr (EB)ウイルス感染が, Burkittリンパ腫や鼻咽頭癌のみならず,免疫抑制状態における日和見B細胞リンパ腫,末梢性T細胞リンパ腫あるいは胃癌など多数の疾患と関連していることが知られてきている.今回私たちは,各種悪性リンパ腫を含む病理材料40例におけるEBウイルス感染の有無を, EB virus-encoded RNAに対するアンチセンスプローブを用いたin situ hybridization ( EBER-ISH )法によって検索した.EBER-ISHは固定液を選ばず,脱灰した剖検骨髄標本においても応用可能で,組織学的にも陽性細胞の同定が容易である.今回の検索では,脳原発B細胞リンパ腫,ホジキン病,橋本病を基盤として発生した甲状腺原発B細胞リンパ腫,蚊アレルギーに続発したT細胞リンパ腫,腎移植後に肝臓に発生した平滑筋肉腫で腫瘍細胞が強陽性となり,これら疾患の発生におけるEBウイルス感染の関与が疑われた. (平成7年7月6日採用)
- 著者名
- 定平 吉都,他
- 巻
- 21
- 号
- 2
- 頁
- 81-87
- DOI
- 10.11482/KMJ21(2)81-87.1995.pdf