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Online edition:ISSN 2758-089X

遷延する意識障害を呈した血栓性血小板減少性紫斑病の1例

遷延する意識障害を呈した血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の65歳男性例を経験した.症例は,黄疸を主訴に入院.赤血球破砕症候群を伴う溶血性貧血,血小板減少,腎障害,動揺する神経症状と脳波異常,発熱の存在よりTTPと診断した.入院第3病日より血漿交換療法を施行したところ,意識障害以外の症状の改善を認めたため,プレドニゾロン(PSL)60 mg/日と,新鮮凍結血漿輸注療法に切り替えた.以後,PSLは,4週間で5mg程度の長期漸減療法としたが,発症後5ヵ月を経て意識はほぼ清明となるも,なお,脳波上徐波の出現を認めた.この異常脳波所見は,発症約9ヵ月後にはじめて正常化した.これまでに報告された遷延する意識障害を呈する症例と比較検討し,本例での病因を推察する.                              (平成3年5月21日採用)
著者名
大槻 剛巳,他
17
2
192-198
DOI
10.11482/KMJ17(2)192-198.1991.pdf

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