新しく開発されたdual energy X-ray absorptiometry (DEXA)を用いて尺骨骨塩量の測定を行い,その臨床的意義を検討した.基礎的検討の結果,尺骨骨塩量の測定精度は大部分の測定部位において橈骨のそれよりも劣る傾向であった.尺骨骨塩量と腰椎骨塩量または橈骨骨塩量との間には,それぞれr=0.708-0.729とr=0.865-0.947の有意の正相関が認められた.また,尺骨と橈骨の骨塩量は,測定部位および性により若干異なることが示された.つまり,1/3遠位部では男性例で尺骨骨塩量が高値を示すのに対し,女性例では差がみられなかった.1/6および1/10遠位部位では男女例ともに尺骨骨塩量が高値せあった.ROCカーブにより評価した加齢および疾患に由来する骨塩量減少の検出能は,尺骨,橈骨ともに同等であった.(平成元年9月4日採用)
著者名
友光 達志,他
巻
15
号
3
頁
493-498
DOI
10.11482/KMJ-J15(3)493
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