h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

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1982.01.09

Studies of HBe Antigen in the Serum of Coincident Hepatitis B Surface Antigen and Antibody

HBs抗原陽性血清257例中96例(37.4%)にHBs抗原・抗体共存例が検出された. e抗原は96例中38例(39.6%)に陽性で,疾患別では肝硬変がもっとも高く(69.2%),無症候性キャリアーでは30%が陽性であった.年齢別では30歳以前までは50%以上の高いe抗原陽性率を示し以後加齢とともに低下した.共存するHBs抗原のS/N比が50以上の例では70%以上のe抗原陽性率を示した.

1982.01.08

Frozen Section Diagnosis in Surgical Pathology – A Retrospective Study of Three Years’ Experience at Kawasaki Medical School –

1978年から1980年までの過去3年間に川崎医科大学附属病院病理部に依頼された凍結切片413例についてその利用度,診断の正確さ及び誤診の起こり得る原因を検討し考察を加えた.悪性腫瘍であることの実質診断率は100%, false positivityは実質上0%,false negativityは1.96%であった. かし診断不確定率は10.8%とやや高く,少なからず術中の外科医にとまどいを与えるものと考えられた.これらの症例から推定診断の一致率を調べると,良性とした場合が83%,悪性とした場合が25~45%であった. 以上の結果は,病理医が悪性と診断した場合はほほ100%悪性であり,不確定な時には悪性を念頭に置きやすい傾向があることを示している.

1982.01.07

Postoperative Maxillary Cyst – A Comparative Study of the Caldwell-Luc Operation and the Denker-Watsuji Operation –

最近の3年6カ月間に当科で経験した術後性上顎嚢胞症例25例について, Caldwell-Luc法とDenker-和辻法を比較検討し,以下のような傾向を認めた. 1)術後性上顎嚢胞はCaldwell-Luc法で手術した症例にしばしば認められた. 2)主訴に関して両者に差はなかった. 3)再発はCaldwell-Luc法に早く認めた. 4)予防対策としてはDenker-和辻法を行なう方が良いように思われた.

1982.01.06

Hepatobiliary Diseases and HDL-cholesterol

Heparin-Ca 法による HDL-Cholesterol (HDL-Ch)値の測定を199例の肝・胆道疾患患者について行なった.正常人97名の平均値は61.89±10.74mg/dlであり,肝・胆道疾患でHDL-Ch値は低値を示し,正常人との間に有意差が(p<0.001)認められた. HDL-Chはビリルビン,LCAT活性値,赤血球最下滲透圧抵抗とよく相関した. HDL-Chは肝実質障害では肝障害の程度と,閉塞性黄疸では黄疸の強さと相関する傾向を示し,肝・胆道疾患の診断に有用であると考えられた.さらに,アガロース・ゲルによる電気泳動法及び,超遠心法により分離したリポ蛋白分画の電顕的観察を行ない,肝・胆道疾患時にはαリポ蛋白バンドの欠如と,HDLの著明な減少が認められた.

1982.01.05

The Change of Sodium, Potassium Concentration and Hydration in Normal Guinea Pig Lenses in Dependence on Age

老人性白内障の膜機構解明の一助として,正常モルモット水晶体(50g~900g体重)のNa+, K+量及び,含水量が加齢変化に伴い如何に変動するかについて測定した. Na+, K+の定量はFlame emission photometerで測定した.正常モルモット水晶体のNa+, K+は,如何なる時期においても逆転することはなかった.又,水晶体含水量はNa+と極めて相関した.水晶体含水量については,幼若水晶体ではJuicy lensと呼ばれ,含水量は高値を示したが,約1カ月でNa+, K+含水量は一定値を示した.

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