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二次性副甲状腺機能亢進症における細胞遺伝学的研究

 透析医療の進歩に伴い長期透析患者数は年々増加している.長期透析患者QOLに大きく影響する重要な合併症の1つである透析骨症は現在においても重要な問題で,その中でも二次性副甲状腺機能亢進症は精力的に検討されてきた.最近の報告によれば,X染色体の不活化を用いたMonoclonarityの検索で,内科的治療に抵抗性で摘出術を必要とする二次性副甲状腺機能亢進症において, Monoclonalな副甲状腺細胞の増殖が認められることが示されている.しかしこの二次性副甲状腺機能亢進症において見られる副甲状腺過形成及び腫瘍性増殖の責任遺伝子については全く解明されていない. 今回我々は,二次性副甲状腺機能亢進症と診断され,外科的に摘出された副甲状腺に対して,責任遺伝子の染色体座位を明らかにすべく,細胞遺伝学的検索を行った.副甲状腺摘出術を受けた血液透析患者15名,15腺に対して染色体解析を行い,また,血液透析患者22名,42腺について, Allelotypingを行い, Loss of heterozygosity 解析(LOH解析)を行った.染色体解析では15腺中13腺にて,解析可能であり,染色体数の異常を6腺に認めた.7番染色体の増加が38% (5/13), 22番染色体の欠失が23% (3/13)に認められた. LOH解析では,22番染色体,11番染色体のMicrosatellite markerにおいて,それぞれ, 19% (8/42), 1% (3/42)のLOHを認めた.病理組織所見と染色体異常, LOHの有無との間に関連を認めなかった. 今回の結果から,複数の染色体で,数的異常やLOHを認めた.その内,7番染色体,11番染色体,22番染色体の異常が,副甲状腺の増殖調節に関与している可能性が示唆された.                               (平成13年10月17日受理)
著者名
十倉 健彦
27
4
315-322

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