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乳癌術後21年目に癌性腹膜炎を発症した1例

 乳癌術後21年目に癌性腹膜炎を発症した1例を経験した.症例は55歳,21年前に両側乳癌で根治術を受けた.今回,腹部膨満感で受診.諸検査の結果,癌性腹膜炎と診断されたが,大網の肥厚以外に腹腔内臓器には異常を認めなかった.血清腫瘍マーカーBCA 225およびCA 15-3 の上昇が認められ,乳癌の再発・転移が疑われた.試験開腹により肥厚した大網の1部を採取,免疫組織学的にER(十)およびBRST-2 (十)で乳癌の転移が最も考えられた.ドセタキセル点滴静注,カルボプラチン腹腔内投与および2クール目からは酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)の内服を併用した.1クール施行後CT上異常陰影を認めず,2クール終了後には腫瘍マーカーも正常化した.3クール施行後に試験的再開腹を行ったが,肉眼的腹腔内播種を認めず,大網切除術を施行した.その後化学療法を4クール追加した.諸検査により,再発や転移の無い事を確認し,退院した.現在外来でMPAの継続にて経過観察中である.           (平成12年7月19日受理)
著者名
藤原 道久,他
26
3
155-159

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