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内観療法を行った精神遅滞の1症例

軽度精神遅滞者に対して内観療法を行った経験を報告する.症例は23歳の女性で知能指数は62であった.視覚障害,聴覚障害などの解離性障害と心因性失神がみられ入院となったが,衝動的に離院するなど治療を要する行動障害もみられた.支持的精神療法が無効であったため集中内観を導入した.集中内観によって情動が安定し,解離性障害,心因性失神および行動障害は消失し退院となった.退院後,ふたたび集中内観を行い就職するに至った.治癒機転としては,集中内観によって両親をはじめ周囲の人から愛情を受けて現在に至ったという事実に気づいたこと,内省の方法を具体的に身につけたこと,治療者を信頼できるようになったこと,集中内観をやり遂げたという達成感を感じたことなどが考えられた.この事例から,精神遅滞者に対しても内観療法は有用であることがわかった. (平成8年10月23日採用)
著者名
笹野 友寿
22
4
287-294

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