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甲状腺乳頭癌の多発性膵転移に対して膵全摘術を施行した1例

 症例は50歳代の男性で,4年前に甲状腺乳頭癌のため甲状腺全摘術,頸部リンパ節郭清,左迷走神経,左内頚静脈合併切除を施行した.その後,頸部リンパ節再発に対しリンパ節摘出術,131I 内照射,TSH 抑制療法が行われた.甲状腺切除後3年のPET/CT で膵臓への転移を指摘された.急性膵炎を発症したが内科的治療で改善した.甲状腺切除後4年のPET/CT で膵頭部と膵体部の転移巣の増大を認め,また膵尾部にも新たな転移巣を認めた.ERCP では胆管,膵管の狭窄を認め,胆管ステントと膵管ステントを挿入した.しかし十二指腸の狭窄が進行したため,甲状腺切除後4年4か月で膵全摘術を施行した.膵切除後,腹部症状は改善したが,肺転移や脳転移が進行した.膵切除後55週間で死亡した.本症例は多臓器に多発転移を認めたが,甲状腺乳頭癌は比較的集学的治療の有効性が高く予後が期待できるため,QOL 改善目的に膵全摘を行った.(平成24年7月30日受理)
著者名
浦上 淳,他
38
4
211-217

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