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副鼻腔炎を合併した気管支喘息患者の呼気一酸化窒素に対するロイコトリエン拮抗薬の効果

 近年,気管支喘息と副鼻腔炎のクロストークが注目されている.上気道炎と下気道炎に関して,気管支喘息とアレルギー性鼻炎または副鼻腔炎の合併は約30% と推定され,両疾患の合併は喘息治療の戦略において考慮すべき重要な因子である.今回,気管支喘息患者での副鼻腔炎の合併の有無と,ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)による好酸球性炎症マーカーの呼気一酸化窒素(FeNO)の変化を後方視的に検討した.吸入ステロイド(ICS)治療を6か月以上受け,かつLTRA 治療導入の前後それぞれ3か月のFeNO,喘息コントロールテスト(ACT),呼吸機能検査のデータがある47例の気管支喘息患者の各検査値の変動を鼻アレルギーおよび副鼻腔炎の合併の有無により4群で比較検討した.気管支喘息の自覚症状としてのACT スコアでは4群間に差は認めなかった.呼吸機能に関しては,FEV% 予測値に差はなかったが,PEF% 予測値は副鼻腔炎合併群で非合併群や鼻アレルギー群と比べて有意に低かった(p=0.003,0.007).FeNO は副鼻腔炎合併群で高い傾向はあったが,ばらつきが大きく群間に有意差を認めなかった(p=0.13).LTRA の導入によって,ACT スコア,FEV1% 予測値,PEF% 予測値に明らかな変動は認めなかったが,副鼻腔炎合併群において有意にFeNO が低下した(p=0.04).LTRA は,ICS 単独で抑制できない気道の好酸球性炎症を上気道および下気道の両面から抑制できる可能性が示唆された.(平成24年6月27日受理)
著者名
毛利圭二,他
38
4
165-172

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