h_kaishi

t_toukou

二重エネルギーX線吸収測定法により測定された人間ドック受診男性の骨量に関する研究一特に骨量減少の臨床的検討-

加齢に伴う骨量減少は女性でしばしばみられるが,高齢者の男性にも生じる.今回,人間ドック受診の健常男性534例について橈骨,腰椎および大腿骨頸部の3部位の骨量を測定し,骨量減少の臨床的検討の横断調査を行った.また,69例に対しては経時的に骨量測定を施行し,縦断調査を行った.骨量は二重エネルギーX線吸収測定法を用いて測定し,指標として骨密度(bone mineral density, BMD)を算出した.なお,全例に腰椎単純X線撮影を施行した.横断調査の結果, BMDは橈骨では30歳代より徐々に低下した.腰椎では30~60歳代までほぼ一定であり,70歳代で低下する傾向が認められた.大腿骨頸部では40歳代にピークを示すが,60歳代まではほぼ一定であり,70歳代で低下を示した.骨量減少は腰椎を採用すれば高率に検出が可能であった.腰椎単純X線像の骨萎縮度1度は,腰椎の最大骨量の-2 S.D. (0.882 g/cm2)に相当した.生活様式に関しては,高体重,運動歴あり,および牛乳摂取は骨量を増加させる因子であり,適量の飲酒は骨量を減少させる因子とはならなかった.縦断調査から,橈骨のBMDは全年代で経時的に低下した.60歳代の腰椎では増加を示した.腰椎単純X線像上,骨硬化性変化を認めるものは経時的なBMDに増加がみられた.橈骨は測定の再現性あるいは骨硬化性変化等受けにくいことからも,経時的骨量変化の観察には最適の部位であった.骨量変化と初回測定時のBMD値または生活様式との間には一定の傾向は得られず,これらから将来の骨量減少を推測することは不可能であった.(平成5年10月23日採用)
著者名
三宅 真理子
19
4
319-336

b_download