大動脈弓,肋軟骨,気管・気管支軟骨の石灰化の頻度に関する検討 60歳以上の男女295名を対象に,胸部X線上,大動脈弓,肋軟骨,気管・気管支軟骨の石灰化の頻度を検討した。その結果,①大動脈弓 ②肋軟骨 ③気管・気管支軟骨の石灰化は各々,男性では,60歳代 ①24.4% ②31.1% ③2.2%, 70歳代 ①42.5% ②42.5% ③3.4%, 80歳以上 ①63.6% ②66.7% ③3.0%で,女性では,60歳代 ①39.0% ②78.0% ③12.2%, 70歳代 ①43.3% ②80.0% ③20.0%, 80歳以上 ①64.3% ②92.9% ③42.9%であった。以上より,大動脈弓の石灰化は男女ほほ同様であるが,肋軟骨,気管・気管支軟骨の石灰化は,女性が男性に比し早期にまた高率に認められることが示唆された。 (平成元年4月4日採用)