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イヌ脳底動脈のアセチルコリンおよびノルアドレナリンに対する内皮細胞依存性血管反応

イヌ脳底動脈のacetylcholine (Ach)およびnoradorenalin (NA)に対する内皮細胞依存性反応に標本摘出・装着時間がどのような影響を及ぼすかを等尺性張力測定法を用いて検討した.摘出イヌ脳底動脈リング状標本を, (1)超早期装着標本:脳摘出5分以内・標本装着15分以内,(2)早期装着標本:脳摘出6~15分・標本装着16~45分, (3)緩徐装着標本:脳摘出16分以上・標本装着46分以上の3群に分け実験を行った.超早期装着標本はAchに対し明らかな内皮細胞依存性弛緩反応を示した.この内皮細胞依存性弛緩反応は,標本摘出・装着時間の延長,弛緩反応の繰り返しや10分間のanoxiaにより減弱・消失した.平衡状態では,NAに対する収縮反応は標本摘出・装着時間が延長するにしたがい増強した.一方,収縮状態ではNAに対し,低濃度では内皮細胞依存性弛緩反応を,高濃度では内皮細胞依存性収縮反応を示した.弛緩反応は反応の繰り返しにより減弱したが,標本摘出・装着時間の延長やanoxiaによる変化は認められなかった.イヌ脳底動脈のAchおよびNAに対する反応は標本摘出・装着時間の延長により収縮反応優位に変化した.したがって,イヌ脳底動脈の血管反応性を検討する際は,内皮細胞の機能を保つために慎重かつ迅速に摘出した超早期装着標本を用いるべきであると考えられた.(平成元年10月26日採用)
著者名
平野 一宏
15
4
593-601

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