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保存的治療により治癒した硬膜下膿瘍の1例

保存的治療により治癒せしめた右前頭部硬膜下膿瘍の1例を報告した.症例は29歳女性. 右前頭部痛,嘔吐,発熱が3週間にわたって続き,近医にて急性上気道炎の診断のもとに治療を受けたが軽快しないため,第25病日に当院へ転院した.入院時,体温は37.3゜C,意識は清明で神経学的に全く異常を認めず,また全身状態も良好であった.赤沈は1時間値 57mmと亢進していた.頭蓋単純写で前頭洞にび漫性の陰影を認めた. CT scanで右前頭部に高吸収域に縁取りされた低吸収領野を認め,またこの低吸収領野に接する前頭洞後壁の骨破壊像が認められ,前頭洞炎から波及した硬謨下膿瘍と考えた.入院翌日にCT scanを再検すると硬膜下貯留液は減少していた.入院後5日目に抗生剤投与を開始し,セファゾリンを2gずつ12時間毎に静脈内投与し,15日間連続投与した.頭痛,嘔気は速やかに消失し, CT scan再検で硬膜下膿瘍の完全な消失を認めた.以後6ヵ月間の追跡では,臨床症状, CT scanともに正常である.
著者名
松本 章傳,他
12
1
110-115

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