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Degos 病の関与が疑われた腸管気腫症の一例

症例は70歳代男性.既往に脳梗塞,パーキンソン病があり抗凝固薬を内服していた.デイサービス利用中に倦怠感および血圧低下を認め近医を受診し入院加療となった.入院2日目に40℃の熱発があり,腹部造影CT を施行したところfree air を認め外科的治療目的に当院へ救急搬送された.造影CT では肝彎曲部から脾彎曲部にかけての横行結腸に腸間膜気腫および腸管壁内ガスを認めた.明らかな腸間膜虚血および壊死を示唆する所見はなかった.消化管穿孔または腸管気腫症が考えられ緊急手術が検討されたが,腹部症状に乏しく液体成分など腸管内容の流出を示唆する所見がないことから一旦保存的加療を行った.また,体幹部を中心に小豆大までの皮膚潰瘍が多発していた.皮膚病理所見,既往および今回の病態からDegos 病と診断された.入院6日目に注腸造影および腹部CT を施行したところ,free air はほぼ消失しており,造影剤の腸管外漏出は認めず8日目に退院となった.Degos 病は皮膚の萎縮性丘疹を呈し,消化管の多発性潰瘍や穿孔,中枢神経系の出血や梗塞を特徴とし,病態としては末梢の血栓性血管炎が主体と考えられている.今回我々は,Degos病の関連が疑われた腸管気腫症の一例を経験したので文献的考察を加えて報告する.doi:10.11482/KMJ-J42(2)79 (平成28年6月6日受理)
著者名
石田 尚正,他
42
2
79-84
掲載日
2016.8.9

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