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Online edition:ISSN 2758-089X

陳旧性心筋硬塞症における血液凝固能の検討

最近,動脈硬化と血栓との関連性が再びクローズアップされてきている.虚血性心疾患の発症とその進展に及ぼす因子を検索してゆくと動脈硬化という問題につきあたらざるを得ない.虚血性心疾患における血液凝固能に関してすでに多くの研究がなされているが,方法論を含めその見解は必ずしも一致していない.今回われわれはpreliminaryに陳旧性心筋硬塞症10例について,健常者10例を対照群とし,血液凝固能を検討した.その結果1)陳旧性心筋硬塞群は対象群に比し血小板粘着能,同凝集能の異常が高率に認められた.2)狭心症を伴う心筋硬塞群では5例中4例に血小板機能異常が著しく,これらの例では発症時の合併症が激しく,しかも硬塞後の心室瘤を有し,心室内血栓形成の可能性が強く示唆された.
著者名
仲田 清剛, 他
1
1
49-55
DOI
10.11482/KMJ-J1(1)49

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