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Online edition:ISSN 2758-089X

破裂脳動脈瘤の発症12日目に別の未破裂脳動脈瘤が破裂した1例

67歳女性.以前より左中大脳動脈・脳底動脈本幹・左海綿静脈洞部内頚動脈に未破裂脳動脈瘤を指摘されていた.突然に激しい頭痛・嘔気が出現し,その5日後に他院でsubarachnoid hemorrhage(SAH)を指摘されたため,当院紹介となった.CT で左シルビウス裂・左大脳半球脳溝を中心にSAH を認めるも,脳幹周囲には認めなかった.緊急DSA では,左中大脳動脈瘤は4.9mm でbleb を伴っていたが,脳底動脈瘤は6.5mm,左内頚動脈瘤は2.9mm で,いずれもblebはなかった.左中大脳動脈瘤の破裂と考え,緊急で同部位にコイル塞栓術を施行し,ほぼ完全閉塞された.しかし,第12病日に突然昏睡状態となり,CT で橋腹側を中心に新たなSAH を認めた.脳底動脈瘤の破裂と診断し,緊急コイル塞栓術を行った.術後意識状態は改善し,NPH に対しVP シャントを追加し,mRS1で自宅退院となった.短期間で2個の動脈瘤が破裂した比較的稀な症例と考えられ,報告する.
著者名
小川 祐佳里, 他
44
1
11-17
DOI
10.11482/KMJ-J44(1)11
掲載日
2018.2.2

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