h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

当院の女性過活動膀胱患者における抗コリン薬とβ3アドレナリン受容体作動薬の内服継続率に関する検討

過活動膀胱(overactive bladder:以下OAB)は,尿意切迫感や頻尿などの下部尿路症状を有し,加齢とともに増加する傾向がある.OAB 患者の治療薬として,本邦では抗コリン薬とβ3アドレナリン受容体作動薬が推奨,使用されている.今回,女性OAB 患者に対する,抗コリン薬とβ3アドレナリン受容体作動薬の内服継続率,副作用,内服中止理由に関してretrospective に検討した.対象は,2013年1月から12月の1年間に当院泌尿器科を受診した初診の女性OAB 患者,87名とした.β3アドレナリン受容体作動薬投与群と抗コリン薬投与群の内服継続率は,β3アドレナリン受容体作動薬投与群は,12か月で38.8%,60か月で18.1%,抗コリン薬投与群は,12か月18.4%,60か月で7.9%であり,β3アドレナリン受容体作動薬投与群の方が若干継続率は良いものの,両群間に差は認めなかった.副作用に関しては,抗コリン薬投与群の方が多く,口喝が17例(44.7%),便秘が15例(39.5%)であった.薬剤中止の理由は両群とも自然寛解によるものが多かった.
著者名
藤井 智浩, 他
45
55-61
DOI
10.11482/KMJ-J201945055
掲載日
2019.10.1

b_download