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当院におけるPoint-of-Care Ultrasonography(POCUS)の現状 - ICU におけるベッドサイド腹部超音波症例での検討-

近年point-of-care 超音波(以下POCUS)の有用性が注目されている.しかし,その定義,対象臓器や疾患,必要とされる手技などは明らかとなっていない.当施設でICU(intensive-care unit)入院患者に対しベッドサイドで腹部超音波検査(abdominal ultrasound: AUS)を施行した症例をPOCUS 症例とし,当院のPOCUS の現状をretrospective に検討した.POCUS 施行例245例で,検査依頼領域は肝胆膵領域が最多で次に消化管領域が続いた.検査依頼領域に何らかの所見が認められた症例は47.8%であった.POCUS の正診率については94.5%であった.診断困難例は全例が消化管疾患でその中でも消化管出血とくに出血性直腸潰瘍が多く,いずれも内視鏡検査で診断されていた.POCUS で緊急対応が必要と指摘した症例は28例あり,その28.6%は検査依頼領域以外の部位に病変を認めた.28例の内訳では消化管領域(60.7%)と循環器領域(17.9%)であった.POCUS では検査依頼領域以外の領域に所見を認める事もあり,腹部全体の検索が重要である.また消化管領域はPOCUS による診断が困難なこともあり,AUS 所見で症状が説明できない場合には、内視鏡検査なども検討すべきである.以上のことから,緊急疾患は消化管領域と循環器領域に多く,特に消化管領域については慎重な検索が重要と考えられた.また,AUS を用いて適切なPOCUS を行うためには,急性腹症を含めた腹部疾患の横断的かつ総合的な病態判断が必要である.
著者名
中藤 流以, 他
45
121-130
掲載日
2019.11.11

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