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不同視弱視における両眼開放下の弱視眼視力と立体視機能の検討

片眼弱視における視機能障害の主な原因のひとつとして,眼間抑制の不均衡,すなわち健眼から弱視眼への抑制の影響が知られている.この不均衡の程度は,日常臨床では片眼を完全に遮閉した状態で測定した一眼の視力(片眼遮閉視力)と両眼を開放した状態で測定した一眼の視力(両眼開放視力)を比較することで評価が可能と考えられている. これまで,弱視治療により弱視眼の片眼遮閉視力が1.0以上に回復した不同視弱視症例において,眼間抑制の不均衡がどの程度残存しているかは報告者によって異なる見解が示されている.そこで,本研究では,弱視治療により弱視眼の片眼遮閉視力が1.0以上に到達した不同視弱視患者17例を対象に,方向変換ミラーによる両眼開放視力およびTitmus stereo test による立体視機能について検討を行った. その結果,弱視眼の平均両眼開放視力は平均片眼遮閉視力よりも有意に不良であった(p<0.001).なお,17例中13例(76%)は両眼開放視力が片眼遮閉視力よりも低値を示し,17例中4例(24%)は両眼開放視力と片眼遮閉視力に差がなかった.さらに,両眼開放視力の低下がみられた13例のうち7例(54%)が60秒より不良な立体視を示したが,両眼開放視力が同等であった群は全例が60秒より良好な正常立体視を獲得していた. 以上より,弱視治療により片眼遮閉視力が改善した弱視患者においても,眼間抑制の不均衡が残存している症例が多いことが示唆された.
著者名
荒木 俊介, 他
46
21-25
掲載日
2020.4.20

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