h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

頭頸部癌でFDG-PETが有用であった2例

 2006年12月,当院にもようやくFDG-PET/CTが導入された.FDG-PET(2-[18F]fluoro-2-deoxy-D-glucose positoron emission tomography)は,腫瘍のグルコース代謝を反映し,一般に悪性度の高い腫瘍ほどグルコース代謝が亢進して強く集積する.頭頸部領域では2002年4月から,FDG-PETを用いての頭頸部悪性腫瘍の診断が保険適応となった.FDGを用いたPETは,頭頸部領域における癌の原発巣や,頸部のリンパ節転移を診断するのに,従来の画像診断に比べ早期に診断が可能である.またCTやMRIでは原発巣が判明しなかった,原発不明頸部リンパ節転移癌に対しても有用である.また同時に遠隔転移の有無も把握することができる.  私達は当院にFDG-PETが導入されてまだ日が浅いにもかかわらず,臨床的に極めて有用であった症例を経験した.原発巣の診断にFDG-PETが有用であった症例と,局所再発の診断にFDG-PETが有用であった症例の2症例である.これらの症例は,いずれもCTやMRIなどの従来の画像診断では診断が困難な症例であった. (平成19年12月19日受理)
著者名
森 幸威,他
34
2
125-132
DOI
10.11482/2008/KMJ34(2)125-132.2008.jpn.pdf

b_download