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Online edition:ISSN 2758-089X

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2型糖尿病ラットにおける海綿骨微細構築 -マイクロCTを用いた三次元解析-

 従来より2型糖尿病は, l型糖尿病と異なり骨董減少の頻度が低く,骨粗軽症の原因としては疑問視されてきた.ところが,最近2型糖尿病が骨折リスクの増加と関連していることが報告され,その原因として骨董以外の要因の関与が示唆されている.そこで本研究では,糖尿病における骨微細構築の変化を2型糖尿病ラットを用いて検討し,糖尿病性骨粗軽症における海綿骨微細構築を部位別および週齢別に検討した.  対象には, 14週齢, 28週齢, 42週齢および56週齢の2型糖尿病ラット(OLETF,各群n=7-ll)およびコントロールラット(LETO,各群n-8-ll)を用いた.屠殺後,第5腰椎椎体,腰骨近位および遠位骨幹端を,マイクロCTにてスライス厚14.1-18.6Mm,画素径17.6-23.2(jmの条件で撮像した.得られた三次元画像データから海綿骨の骨体積比,骨梁の厚さ,敬,間隙と連結性,骨梁パターン因子,構造モデル指標を算出した.また,第3腰椎椎体を圧縮し,その破壊強度を求めた.  すべての週齢で体重および血糖値はOLETFラットの方が高値を示した.骨体積比は,14週齢の腰椎およびすべての週齢の腰骨遠位骨幹端でOLETFラットの方が高値を示した.一方, 42週齢と56週齢の腰骨近位骨幹端ではOLETFラットの方が低い骨体積比を示した.また, 28週齢, 42週齢, 56週齢において,腰椎はOLETFラットの方が棒状で連結性の低い骨梁構造を,腰骨遠位骨幹端は板状で連結性の高い骨梁構造を示した.椎体の圧縮強度は42週齢と56週齢においてOLETFラットの方が低値を示した.  これらの結果は,糖尿病ラットでの骨変化には部位による差が大きいことを示しており,また,荷重負荷の影響が少ない腰椎などでは,海綿骨微細構築の劣化が骨強度の低下に強く関与していることを示唆している.(平成15年8月9日受理)
著者名
三好 秀直
29
2
131-143
DOI
10.11482/KMJ29(2)131-143.2003.pdf

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