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Online edition:ISSN 2758-089X

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薬剤介入により肥満糖尿病マウス膵β細胞機能障害の抑制効果 -DiazoxiderとPioglitazoneの作用および作用機序の比較検討-

 糖尿病の管理において膵β細胞機能をいかに保護するかは重要な課題である・本研究では肥満糖尿病モデル動物C57BL/KsJ励+/励+マウス(以下曲+/曲+マウス)にKATPチャネル開口薬diazoxideとthiazolidinedione系薬剤pioglitazoneによる介入を行い,膵β細胞機能障害の抑制効果およびその機序を比較検討した.6週齢曲十/曲+マウスにdiazoxide(100mg/kg・BW/day,経口)とpioglitazone(100mg/kg・迅W/day,経口)による12週間の介入を行った結果,血糖値は有意に改善した(p<0.05vs非介入).膵ラ氏島の組織学的変化を検討したところ,両薬剤とも%膵ラ氏島面積を同一週齢の非介入励十/励十マウスのそれと比較し,有意に増大させた(pく0.001).またβ細胞比率は非介入マウスでは加齢と共に有意な減少(pく0.01)を認めるが,薬剤介入により非介入と比べて有意に増大した(pく0.01,piogutazonevs非介入).さらに10週齢マウスに2週間,薬剤介入すると血糖,中性脂肪,遊離脂肪酸は低下するが,血中インスリン値はdiazoxideで増加,pioglitazoneではむしろ低下していた.血中アデイポネクチン値は介入により増加したが,pioglitazoneでより顕著であり,両者併用ではさらに著明な増加をみた(p<0・001vs非介入).インスリン感受性はpioglitazoneで有意に増強したくp<0・01YS非介入)が,diazoxideでは増強効果を認めなかった.Pioglitazoneにより膵ラ氏島内中性脂肪含量は減少する(p<0.05YS非介入)が,dia甜Xideでは変化をみなかった.膵ラ氏島のグルコース応答性インスリン分泌反応は,薬剤介入により改善した(pく0.05vs非介入).励+/曲+マウスの膵β細胞様能障害は両薬剤のいずれによっても抑制されることが明らかになったが,その様序としてdiaz醗ideは膵β細胞に直接作用し,高血糖の持続による膵β細胞のオーバーワークを抑制することでその機能を保護するものであり,加えて糖毒性の改善も細胞機能保護に寄与していると考えられた.一方,pioglitazoneはインスリン感受性増強による糖毒性の改善に加えて,勝β細胞における脂肪毒性の抑制も関与するものと思われた.(平成15年6丹9円受埋)
著者名
川崎 史子
29
2
115-130
DOI
10.11482/KMJ29(2)115-130.2003.pdf

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