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卵巣癌の予後に関するHSP27の免疫組織化学的検討~第2報~

 卵巣癌におけるp53,KiL67,heatshockproteins(HSP27,70,90)の発現を免疫組織化学的に検索し予後因子となりうるか否かを検討した.  1985~99年にかけて当院で治療し予後を追及しえた上皮性卵巣悪性腫瘍97症例に対して現在のWIIO分類に従って再評価し,その中で卵巣癌と診断した68例を対象にした.残りの29例は境界悪性腫瘍であったため予後の検討からは除外したが,卵巣癌との発現の違いに関して比較検討した.  まずUNIVERSALGRADINGSYSTEMによる悪性度評価を行い,その腫瘍像を反映したホルマlJン固定・パラフィンブロックを用いてp53,Ki-67,HSP27,HSP70,HSP90の発現を免疫組織化学的に検索した.そして組織型,腫瘍組織分化度,進行期,再発及びKaplan-Meyer法による生存率との関連を統計学的に解析した.  境界悪性群に比べ悪性群でKi-67の発現が有意に高かった(p<0.01).p53は賛液性腺痛で他の組織型と比べて強く発現している傾向がみられたが,HSP27,Ki-67では組織型による発現の差はみられなかった.HSP90を除くすべてのマーカーは悪性度とよく相関していた.HSP27とp53では有意差はないものの進行癌での発現が早期癌に比べ高い傾向にあり,また再発群では非再発群と比べ発現が高い傾向があった.生存解析ではHSP27陽性群は陰性群と比較して有意に予後不良であった(p=0.0119).p53では陰性群と比べ陽性群で生存率が低い傾向がみられた(p=0.0534).多変量解析では進行癌(Ⅲ・Ⅳ期癌)(p<0.0日,HSP27陽性群(p<0.05)で有意に予後不良であった.  以上よりHSP27の発現は卵巣癌の予後不良因子となることがわかった.(平成15年6月9日受理)
著者名
前畑 賢一郎
29
2
105-114
DOI
10.11482/KMJ29(2)105-114.2003.pdf

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