動脈管開存症に対して胸腔鏡下手術を施行した1例 症例は10歳女児,心房中隔欠損症(ASD)根治術後,経過観察中に動脈管開存症 (PDA)認めた.経過観察するもPDA flowの消失が認められなかったため手術目的で当科に入院となった.精査後,small PDAと判断し胸腔鏡下にPDA閉鎖術を施行した.手術は右側臥位で左胸腔に5カ所のポートを作成し,11mmのクリップ2本で動脈管をクリッピングした.術直後の経皮的心臓超音波検査ではPDA flowは消失しており,その後反回神経麻痺も認められなかった.胸腔鏡下での動脈管閉鎖術は適応に制限はあるが,確実で,侵襲が少ない治療法であった.(平成18年6月13日受理)