H. pylori感染と胃癌との関連性については疫学研究,スナネズミを用いた発癌モデル実験および除菌介入試験などの多くの研究により現在その進展がみられている.H. pylori菌の慢性持続感染により胃粘膜は表層性胃炎から長期の経過をたどり萎縮性胃炎,さらに萎縮粘膜の一部に環境因子や宿主の遺伝的要因などが加わり腸上皮化生粘膜へと導かれ,これを背景に胃癌が発生する.このようなH. pylori感染による形態学的変化とともに機能面での胃酸分泌の低下が好発癌状態と考えられている.
著者名
鎌田 智有,他
巻
31
号
3
頁
113-119
DOI
10.11482/KMJ31(3)113-119.2005.pdf
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