「原発性骨粗鬆症の診断基準とステロイド性骨粗鬆症の管理・治療のガイドライン」 高齢者人口の増加とともに,骨粗鬆症の頻度は増加している.骨粗鬆症は,脆弱性骨折に導き,その結果QOLの低下をきたすので,その早期診断,骨折リスクの評価や,予防と治療が重要である. 骨強度は第一義的には骨密度(BMD)と骨質の統合を反映する.2000年,BMDに基づいた「原発性骨粗鬆症の診断基準」が定められた. 骨質は,構造,代謝,ダメージ蓄積と石灰化が関与する.また,「骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーのガイドライン」が作成された. グルココルチコイドは,骨粗鬆症の合併症を惹起する.そのため,「ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン」が提唱された. 本総説では,これらの診断基準とガイドラインを記載した.本総説が骨粗鬆症の臨床実地に使用されることを期待する.