口腔内扁平苔癬を伴った毛孔性扁平苔癬 63歳女性.頭部の瘢痕性脱毛と紅斑を主訴に皮膚科を受診した.これ以外に口腔内の扁平苔癬を合併していた.頭部の紅斑の組織標本では顆粒層の肥厚,表皮基底層の液状変性,真皮上層のリンパ球浸潤とCivatte小体が認められた.毛包では角栓と毛包壁へのリンパ球浸潤が認められた.免疫蛍光法直接法ではCivatte小体へのIgMの沈着と表皮真皮境界部へのフィブリノーゲンの沈着が認められた.以上の臨床像と組織学的所見から毛孔性扁平苔癬と診断した.プロピオン酸クロベタゾール液の塗布により頭部の紅斑は消失し脱毛の進行は停止した.(平成16年8月10日受理)