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Online edition:ISSN 2758-089X

皮疹が軽度であったSweet病

 15歳女性.咽頭痛と39℃以上の発熱があり当院救急部に入院した.白血球数は11,100/mm3で好中球が87%を占めていた.CRPは15.2mg/dlと高値であった.以上の所見から細菌感染が疑われた.しかし,抗生物質の全身投与により症状は改善しなかった.入院2日後の診察時に顔面と胸部に1cm径の有痛性局面が認められた.その生検組織では真皮にリンパ球と多数の好中球の浸潤が認められた.これらの臨床症状,一般検査所見および病理組織学的所見からSweet病と診断した.プレドニゾロン1日量60mgの点滴静注により諸症状は速やかに改善した.高熱,好中球増加,CRP高値といった臨床症状と検査所見からは一般的には細菌感染症が最も疑われるが,鑑別疾患としてSweet病も考慮すべきと考えられた.(平成16年7月20日受理)
著者名
林 宏明,他
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31-35
DOI
10.11482/KMJ30(1)031-035.2004.pdf

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