h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

t_toukou

5'非翻訳領域の塩基配列の組み合わせによる HCV genotype の新しい測定法

 HCV genotypeの分類は,ウィルス量とともにC型肝炎治療におけるインターフェロン治療効果の予測にきわめて重要である.遺伝子型の分類にはHCVのコア領域を型特異的プライマーによるPCRを行って診断する方法や,免疫血清学的にELISA法を用いた分類が一般的である.しかし,ウィルス量が少ない血清においては遺伝子型の分類が不十分である.今回,アンプリコアHCVモニターv 20にて得られたPCR産物のダイレクトシークエンシングによる5’非翻訳領域(5' Untranslated region ; 5'UTR)の塩基配列の検討により,遺伝子型を正確に診断できる方法を考案した.諸種のHCV陽性血清290検体を用い,この方法(5'UTR genotype法)によりgenotypeの分類を行い, type-specific PCR法(岡本法)や, serogroup分類(Kohara法)との対比を行った. Genotypeは, 5'UTRの-167, -163, -161の3個所の塩基の組み合わせにより,1bはT, A, G, 2aはT, G,G, 2 bはT, G, Aに相当することが明らかとなった.岡本法と本法との対比では290検体中289検体(99.7%)に合致していた.一方, serogroup分類では,41検体(14.1%)に型分類判定不能とされたものがあったが,本法ではこれらの検体についても正確に型分類が可能であった.各型別の血清を段階希釈し,本法によるgenotype判定可能なウィルス量について検討したところ,いずれの型においても100 copy/ml 前後のウィルス量までは判定可能であった.本法は一度の検査でHCV RNA定量とgenotype分類が同時に測定しうる有用な方法であると思われる.               (平成13年8月18日受理)
著者名
都築 昌之
27
3
193-200
DOI
10.11482/KMJ27(3)193-200.2001.pdf

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