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Online edition:ISSN 2758-089X

肺小細胞癌・大細胞性神経内分泌癌における予後因子の検討 ― 接着分子の発現の意義について―

 肺小細癌(SMCC)および大細胞性神経内分泌癌(LCNEC)は神経内分泌由来の癌であると考える傾向がある.今回我々はSMCC, LCNEC 41例において,E-カドヘリン,α,-カテニンの発現性を調べるとともに,予後との相関について分析した.E-カドヘリンおよびα-カテニンはLCNECではそれぞれ83%, 67%に,小細胞癌では40%, 29%に発現がみられた.特にSMCCでは大型細胞を混じる部分で,発現が顕著であった.生存分析からは,双方発現群は非発現群,片方発現群に比して,予後良好で(P <0.05), LCNEC(67%), SMCC (Mixed small and large cell type, 50%)では両接着分子の発現を認めた.この事実はSMCCで大細胞癌成分を含んでいるものは,小細胞癌成分のみからなるものとは本質的に異なり,前者はLCNECに生物学的に類似しているのではないかと推測された.                              (平成11年3月9日受理)
著者名
伊禮 功
25
1
11-17
DOI
10.11482/KMJ-J25(1)011-017.1999.pdf

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