早期直腸癌検査中に発見され,直腸前方切除と同時に経腹経食道裂孔的に切除手術を施行した巨大横隔膜上食道憩室の一例を経験した.症例は58歳,女性.15年前,他院の上部消化管透視検査で,大きさは不明であるが,食道憩室を指摘された.治療の必要はないといわれ,放置していた.その後,時々食物停滞感を自覚していた.直腸癌及び下行結腸癌治療目的に入院し,精査中に巨大横隔膜上食道憩室と診断された.自覚症状があったため,手術適応と考え,低位前方切除術施行時に食道憩室切除手術を施行した.憩室内粘膜面には0.4 cm 大の潰瘍病変があり,びらんが多発していた.術後は食物停滞感等の症状は消失した. (平成12年5月25日受理)
著者名
真嶋 敏光,他
巻
26
号
2
頁
115-119
DOI
10.11482/KMJ-J26(2)115-119.2000.pdf
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