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Online edition:ISSN 2758-089X

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前額部皮下腫瘍に対する内視鏡下摘出術

 顔面は各種皮膚良性腫瘍の好発部位であり,前額部にも表皮嚢腫,皮様嚢腫,脂肪腫や骨腫などが好発する.これらの腫瘍の切除にあたっては一般的に腫瘍直上に皮膚切開をおくことが多いが,腫瘍が深在性である場合には以下のような問題が生じる場合がある.すなわち①長い切開線が必要となること,②顔面神経側頭枝や眼窩上神経,滑車上神経などの腫瘍より浅層を走行する神経を損傷する危険があること,③筋鈎での創縁の圧迫により醜状瘢痕を残す危険があることなどである. 一方,内視鏡下手術は内視鏡本体や周辺付属機器の飛躍的な進歩に伴い,さまざまな外科領域でminimal invasive surgeryとして応用されている.形成外科領域においても顔面骨骨切り術や骨固定術,良性腫瘍摘出術,除皺術などの整容的手術,漏斗胸手術,筋弁や大網弁採取術などで内視鏡が応用され,その有用性が報告されている.今回,私達は2例の前額部深在性皮下良性腫瘍症例に対して内視鏡下摘出術を行い,良好な結果を得た. 前額部皮下腫瘍に対する内視鏡下摘出術の利点としては以下のものを挙げることができる.①皮膚切開創をより短く,より目立たない部位におくことができる.②手術手技が比較的容易である.③直視下に手術操作を行うため,神経や血管の損傷を避けることができる.④術後疼痛が軽微である.⑤早期離床および退院が可能である.一方,欠点としては手術時間が若干延長する点が挙げられるが,手術手技の向上やレトラクターなどの手術器械の改良,開発により今後克服される可能性がある.      (平成12年5月20日受理)
著者名
稲川 喜一,他
26
2
101-109
DOI
10.11482/KMJ-J26(2)101-109.2000.pdf

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