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Online edition:ISSN 2758-089X

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Ionomycin誘発性[3H]GABA放出における一酸化窒素の機能的意義

 Ca2+ ionophore であるionomycinがCa2+ 依存性神経伝達物質放出を誘発すること,およびNO生成を誘発すること,さらにNOが神経伝達物質放出を促進させることから,ionomycin誘発性神経伝達物質放出がNOの生成を介して行われる可能性が考えられる.そこで本研究ではionomycin誘発性[3H]GABA放出におけるNOの機能的役割を,初代培養マウス大脳皮質神経細胞を用いて検討した. Ionomycinは,神経細胞からの[3H]GABA放出を用量依存性に増加させた.このionomycin誘発性[3H]GABA放出は, NO scavengerであるhemoglobinおよびNO合成酵素阻害薬であるNG -methyl-L-arginine およびNω-nitro-L-arginineにより用量依存性に抑制された. Na+依存性GABA担体輸送阻害薬であるnipecotic acid およびNO-711は用量依存性にionomycin誘発性[3H]GABA放出を約50%抑制した.また,それぞれL型およびP/Q型voltage-dependent Ca2+channet (VDCC)阻害薬であるnifedipineおよびω-agatoxin VIAの共存下ではionomycin誘発性[3H]GABA放出は約50%減少し,さらにこの条件下にnipecotic acidあるいはNO-711を反応系に添加することによりionomycin誘発性[3H]GABA放出は完全に消失した.Ionomycin誘発性[3H]GABA放出はhydroxyl radical scavengerであるdimethylthioureaにより用量依存性に増加した.以上の実験成績から, ionomycin誘発性[3H]GABA放出はionomycinによる細胞内へのCa2+ 流入に引き続くNOS活性化とこれに伴うNOの生成を介して誘発されると考えられる.        (平成12年3月11日受理)
著者名
肥後 敦子
26
1
13-23
DOI
10.11482/KMJ-J26(1)013-023.2000.pdf

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