顔面軟部組織損傷に対する初期治療の問題点 顔面骨骨折は頭蓋内損傷を含む問題からその治療の重要性についてしばしば報告されてきた.しかし骨折を伴わない顔面軟部組織損傷の治療は軽視されがちである.幼小児や女性においては顔面に生じた醜状瘢痕のため精神的な問題を生じることもあり,慎重な治療が必要である.初期治療に際して,初診医が注意すべき問題点を顔面の部位別(眼瞼,鼻,耳介,口唇)に記載した.なお各部位別に専門医による治療を要求される場合について言及した. (平成12年3月11日受理)