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Online edition:ISSN 2758-089X

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ニードルプローブ型CCD生体顕微鏡による脳微小循環の生体内計測

 従来よりcranial windowを作製し実体顕微鏡により限られた領域の脳軟膜微小血管の観察は可能であった.本研究ではニードルプローブ型CCD生体顕微鏡を使用することにより広い領域での脳軟膜の微小血管の生体内における動態観察をおこなうことにより,脳血流調節において,どのレベルの細動脈が重要な働きを担っているかを明らかにすることを目的とした. 脳微小血管の生体内での観察に,ニードルプローブ型CCD生体顕微鏡を用いたが,脳表面の微小血管観察に直視型システム,大脳皮質内の微小血管観察に側視型システムを用いた. 動物実験に雑種成犬を使用した.全身麻酔下で,左頭蓋骨の除去を行い硬膜を切開した.内頚動脈血流をトランシットタイム型超音波血流計で測定した. 10%C02負荷,アデノシン,ニトログリセリンの頚動脈内投与では頚動脈血流の増加と,それに対応する脳表細動脈径の全般的な増大を認めた.これに対しアンギオテンシンⅡの頚動脈内投与では頚動脈血流の減少と脳表面の細動脈径増大減少の混在を認めた.これらの血管の直径の変化は特に血管径75μm未満のものに大きい傾向を認めた.一部の例で,側視型ニードルプローブを大脳皮質内に刺入する事により,大脳皮質内の微小血管を観察することが可能であった. 以上,血流の調節は主として血管径75μm未満の比較的細い細動脈で行われ,血流の増加は細動脈の全般的な拡張で,血流の減少はそれの部分的な収縮で行われる.                               (平成10年9月8日受理)
著者名
新名 健治
24
3
131-140
DOI
10.11482/KMJ24(3)131-140.1998.pdf

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