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Online edition:ISSN 2758-089X

喀血に対する気管支動脈塞栓術の検討 ―再出血例を中心に―

 喀血を来した非腫瘍性肺疾患12例に対して気管支動脈塞栓術(BAE)を施行した.塞栓物質はGelfoamや各種coilを使用した.再出血例は12例中3例に認められ,それらの再出血の原因について検討したところ,1例はmicro catheter がなかったため,目的とする部位までカテーテルの挿入が困難であり,1例はGelfoamにcoilを併用したにもかかわらず,責任動脈が再開通したために十分な塞栓効果が得られず,もう1例は気管支動脈のみでなく肋間動脈や鎖骨下動脈など多数の動脈が関与していたことが考えられた,塞栓物質の種類により塞栓効果に差はあるが,病変部位の血管増生やシャントの状態および関与する血管の走行が再出血の原因となることがあるため,術前の血管造影所見を十分に把握し,それに適した塞栓物質を選択することが再出血の予防に重要であると考えた.                               (平成10年8月27日受理)
著者名
山下 武則,他
24
2
77-82
DOI
10.11482/KMJ24(2)077-082.1998.pdf

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