1992年5月から1997年4月までに一次性下肢静脈瘤248例,324肢に硬化療法を施行した.病型別ではsaphenous type 195肢,segmental type 125肢,reticular type 4肢であった.硬化療法には14.6%高張食塩水を用い,注入後は小綿球および弾力包帯にて圧迫した.saphenous typeは143肢に手術を併用した.硬化療法後の合併症は血栓性静脈炎23.5%,色素沈着17.4%,再発は5.1%にみられた.伏在静脈高位結紮術を併用した硬化療法の再発は1例のみであり,saphenous type 静脈瘤に対する加療として最も有用な方法と考えられた.segmental typeは122肢に硬化療法単独で加療を行い,硬化療法後の合併症は色素沈着20.8%,血栓性静脈炎15.2%,再発は8.0%にみられた.再発の原因としては不全交通枝の関与が考えられ,難治例には不全交通枝の結紮術を併用すべきであると考えられた. (平成10年3月25日受理)
著者名
田淵 篤,他
巻
23
号
4
頁
251-255
DOI
10.11482/KMJ23(4)251-255.1997.pdf
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