h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

t_toukou

びまん性肺胞障害および急速進行性肺線維症における筋線維芽細胞の関与 ―免疫組織学的検討―

 臨床的に,成人呼吸促迫症候群(Adult respiratory distress syndrome, ARDS)と診断した症例を, Katzensteinらの定義に従い,明らかな病因を有するびまん性肺胞障害(Diffuse alveolar damage, DAD)と病因不明の急性間質性肺炎(Acute interstitial pneumonia,別名Accelerated pulmonary fibrosis, APF)に分類し,両病態の肺内線維化巣にどういった性状の筋線維芽細胞が認められるか比較検討した.硝子膜形成を特徴とするDADの浸出期(急性期)では,間葉系細胞はビメンチンのみ陽性の線維芽細胞であったが,増殖期(器質化期)になるとビメンチン陽性,α一平滑筋アクチン陽性,デスミン陰性の筋線維芽細胞に変化していた.一方, APF症例では, intraluminal diffuse fibrosisが優位な1例でビメンチン,α一平滑筋アクチン,デスミンすべてが陽性の筋線維芽細胞が認められたが,大半はDADと同じ性状の筋線維芽細胞であった.以上のことから. DAD,APFの両者とも肺胞腔内の線維化形成には筋線維芽細胞が関与するが,筋線維芽細胞の性状は線維化の時期によって異なることが明らかとなった.    (平成9年4月12日受理)
著者名
小橋 吉博,真鍋 俊明
23
1
27-34
DOI
10.11482/KMJ23(1)027-034.1997.pdf

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